- HALEO ZONE
谷顕真氏(Lesmills Japan Trainer)にとってのHigh Performanceとは

今回HALEO ZONEというデジタルコンテンツサイトが立ち上がりました。
このサイトはハイパフォーマンスというキーワードを軸に、それを支えるトレーニング、栄養、リカバリーに関する情報を発信していきます。
HALEOマインドの元に集結した一流のアスリートやプロフェッショナルのハイパフォーマンスを支える情報を、ブログはもちろんのこと動画配信、オンラインのワークショップやセミナー、オンラインクラス、ドキュメントファイルなどの様々な形式で共有します。
ただハイパフォーマンスというキーワードはまだ一般的ではないようなので、HALEO ZONEとして様々な分野の一流のプロフェッショナルから、それぞれのハイパフォーマンスについてお話しを伺いながら、その意味や実現方法を探っていきたいと考えています。
第一回目は、Lesmills Japan Trainer 谷顕真氏にインタビューをさせていただきました。

レズミルズにとってのハイパフォーマンスとは
どちらかというとボディメイクに対する考え方や取り組みが多いフィットネス業界でも、
パフォーマンスやハイパフォーマンスという言葉が飛び交うようになってきて、インスト
ラクターとしてもモチベーションとしても、ハイパフォーマンスを目指す方が増えてきてい
ます。
レズミルズの中では優れたインストラクターを構成する5つのキーエレメントがあります。
その中には、
コリオグラフィー(ワークアウトプラン)
テクニック(手本)
コーチング(伝える)
コネクション(繋がる)
があり、それら4つのエレメントが高まることで、自然に生まれるエレメントを
パフォーマンス(演出)
として定義しています。

レスミルズインストラクターとしては、これらコリオグラフィー、テクニック、コーチン
グ、コネクションの4つの要素が高まることで、クラス中にパフォーマンスが高まった状態
へ向かうことがハイパフォーマンスだと捉えることができます。
また昨年から始まったインストラクターの更なるキャリアアップに向けた研修として、「アドバンストレーニング」がスタートしました。
前述の5つのキーエレメントを土台として、そこからさらにパーソナリティなどの要素を加えていくことで、より高いクラスパフォーマンスを創り上げることを目指します。
このパーソナリティはリーダーシップとして解釈され重要視されていて、私がとても大切にしている部分です。

谷顕真氏個人としてのハイパフォーマンス
自分自身がどうありたいか、そしてレズミルズインストラクターという仕事に自分自身が
どう向き合うのかを考えています。
そのために「自分は何故フィットネスの仕事をしているのか?」と「どういう時に充実し
ていると感じるのか?」を常に自分に問いかけています。
その価値観のコアな部分が深まれば、自然に自分自身も充実するし、レズミルズインス
トラクターとしてのパフォーマンスも高まると考えています。

以前と今との仕事への向き合い方の違い
以前は仕事を最優先にして、キャリアアップのために多くを犠牲にしてきた時期もありま
した。しかし、今は仕事だけ良ければよいという考えはしていません。
まずは自分自身を充実させることを最優先に考えています。
自分自身を充実させるためには家族との時間を大切にしています。
人によっては自分の時間=一人で過ごす時間かもしれませんが、私にとっては家族と過ご
す時間がリラックスする時間であり気持ちに余裕を作ってくれて仕事のアイディアも湧い
てきます。
そのライフワークバランスの中で、自分自身もフィットネスで人生を充実させること。また、お客様にもフィットネスを通じて、充実したライフスタイルを送ってもらえるようサポートできることが、私にとってのハイパフォーマンスといえます。

今の自身のトレーニングについて
上半身と下半身を、それぞれ押す、引くに分けた4つのウェイトトレーニングプログラムを、2日やって1日休むサイクルで取り組んでいます。
それぞれの日をプライオメトリック系の爆発的筋力、全身のコーディネーション的なテーマで刺激を変え、特に今シーズンはユニラテラル系とオフセット系のエクササイズにも重点的に取り組み新しい刺激を入れるようにしています。
スピード、アジリティ、持久力といったコンディショニング系のトレーニングはレズミル
ズのGRITというプログムがスピード、アジリティ、パワーを含めたHIIT(高強度インター
バルトレーニング)なので、レッスンがトレーニングも兼ねています。
ただ基本は、お客様やレスミルズインストラクターの期待や想定の範囲を超えたパフォーマンスをするために、レッスンはレッスンと割り切って、自身のトレーニングはレッスン以外で行うようにしています。
レスミルズ自体がフィットネストレンドに敏感で、それがプログラムに反映されるのでそこからヒントを得て、多くの学びや刺激を受けますが、それ以外にもSNSなどからヒントを得ることもあります。

リカバリーで大切にしていること
栄養の面ではリカバリーサプリメントを意識して摂るようにしています。レッスン前には
HALEOクレアボル、トレーニング前にはRaptorを、トレーニング、レッスン中にC3Xは必ず摂るようにしています。
実は触れられると困るのが食事で、世の中のアスリート、トレーナーの中ではこだわりが
あまりない部類と思います。あえて拘っている点といえばノンストレスであること。
食べたいものを食べて、お酒も飲みます。
もちろん揚げ物は食べない、野菜から食べるとか、PFCバランスなど最低限のことは気にしていますが、カロリーとかは気にせずストレスなく食べるがモットーです。

身体のメンテナンスの面では、ストレッチとリリースを毎日ルーティンとして行なってい
ます。
ストレッチは毎朝起床後の朝食前に実施する20分程度のルーティンがあります。
またフォームローラーによるセルフリリースは、夕食後に家族と会話しながら身体のリセ
ットとリポジショングとしてリラックスして行なっています。
実はこれらのルーティンもコロナ自粛の期間に、試行錯誤して完成したルーティンで、いろいろ向き合い試行錯誤する良い期間となりました。
睡眠に関しては、もともと質が悪く、今まさに次のステップとして改善したいと取り組み
直しているところです。
朝起きた時のリフレッシュ感や爽快感を追求したいと考えています。最近ちょうど枕を買い替えるために調べているとこです。睡眠は今の自分の課題一つだといえます。

今後HALEO ZONEに期待すること、発信したいこと
今のフィットネス業界はいろいろな情報を得ることができますが、やや表面的で、限定的な情報に囚われてしまいがちだと感じています。
例えばフィットネス=ダイエットみたいな固定観念がその一つです。
もっとフィットネス本来の様々なあり方をもっと正しく広げたいと常々考えているのでHALEO ZONEからトップアスリート、プロフェッショナルな方々のハイパフォーマンスに
関わる本質的で本物な情報に触れることで、逆にフィットネス業界のトレーナー、インス
トラクター、トレーニーもより広範囲なフィットネスの捉え方ができるのではないかと期
待しています。
そのような情報を発信する場所になってもらいたいと考えています。
フィットネスのあり方がもっと健全に広範囲に広がり、一般の方に本来の形のフィットネスの可能性に触れてもらいたいです。
特に今はパーソナルトレーニング全盛ですが、フィットネスクラブのグループクラスの楽しさをさらに広めて、日本国内のフィットネス人口を3%から少しでも増やすことに貢献できれば嬉しいです。

インタビューを終えて
ニュージーランド発信で世界100カ国以上の国で絶大な人気を誇るLesmillsの、日本でのプログラムと育成システム作りという素晴らしい取り組みをしている谷さん。今回のインタビューでは、あっという間に時間が過ぎ、とても内容の濃いお話しができました。一つ一つの質問を、さらに深めていきたいと感じましたので、特にLesmillsインストラクターのコーチングやリーダシップについては改めてお話しを伺い、ご紹介できたらと思います。
自分自身へ常に問いかけ続けて、フィットネスとは、トレーニングとは、インストラクターとは、どうあるべきか?本質を追求する谷さんはどの質問に対しても、とても明確に答えていただき、いつも自分と向き合っている姿が伺えました。貴重なお話をありがとうございました。
HALEO High Performance Director 村上貴弘

撮影:岩田直子